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保育士を徹底解説【完全版】

これから保育士を目指す方、既に保育士として働いている方に、参考になればと思いこのコラムを書いていきます。給与、職場環境、将来性など保育士の働く環境についても解説していきます。

1 保育士になるには

保育士資格を取得するのは大変か?

1-1 保育士試験

保育士試験は筆記試験(2日間)と実技試験(1日)で実施され、前期(4月)と後期(10月)の年2回実施されています。

保育士試験の科目・出題範囲について、

  • 筆記試験は、保育原理(20問)、教育原理(10問)、社会的養護(10問)、子ども家庭福祉(20問)、社会福祉(20問)、保育の心理学(20問)、子どもの保健(20問)、子どもの食と栄養(20問)、保育実習理論(20問)、
    100点満点で、うち60点(6割)以上得点すると合格となります。
  • 実技試験の科目・出題範囲について、「音楽表現」「造形表現」「言語表現」の3つの分野から2分野を選択します。
    音楽表現に関する技術(幼児に歌って聴かせることを想定して、課題曲の両方を弾き歌いする)、造形表現に関する技術(保育の一場面を絵画で表現する)、言語表現に関する技術(3歳児クラスの子どもに「3分間のお話」をすることを想定し、下記の1~4のお話のうち一つを選択し、子どもが集中して聴けるようなお話を行う)、
    1分野につき50点満点中30点以上得点し、2分野で合計60点以上得点すれば合格です。

個別支援計画の作成時には、児童の特徴や課題を把握し、児童と保護者が必要とするサービスを踏まえ、計画を作成する必要があります。
参照:横浜市健康福祉局障害支援課「個別支援計画を作成するにあたって」

1-2 勉強方法

筆記試験を独学で合格するための勉強時間は約120時間と言われています。
1日1時間~2時間と仮定した場合、60日~120日になります。
使う教材は、参考書、WEBサイト、過去問、You Tube、アプリなどで、隙間時間にはアプリ、WEBサイトを活用しましょう。
時間軸としては、はじめの40時間は参考書を読み、次の50時間で過去問、残りの30時間は復習や不安な分野を重点的にチェックするといいでしょう。

実技試験は、「全国保育士養成協議会」のHPで確認できます。
筆記試験から実技試験まで2カ月半ありますので、早めに対策をしてください。

2 保育士の仕事内容

保育士の仕事内容を紹介していきます

2-1 保育士

保育士は、子どもの存在を通して、命と向き合い、社会と関わりながら、専門職として、保育を必要とする多くの子どもの多様な姿や育ちを定点観測のように見守りながら育み続けることができる魅力あふれる仕事です。
勤務時間例は、早番:7時30分~16時30分頃まで、中番:8時30分~17時30分頃まで、遅番:9時30分~子どもが帰るまで。土曜は隔週で出勤する園が多いです。

  • 出勤をして、開園の準備を行います。部屋のチェック、スケジュール確認、朝礼などを済ませ、開園の時間になったら子どもたちを迎え入れます。
    子どもたちの登園が済んだら朝の会を始め、朝の挨拶や出席確認、体操などを行います。その後は自由遊びや散歩など、プログラムに沿って活動します。

  • 昼食の準備・配膳をして、園児と同じ給食を食べながら、食事の様子を見て、箸のもち方、好き嫌いなく食事をすることの大切さを指導します。その後、食器の後片づけ、布団敷き、園児たちをトイレに行かせて、寝かしつけします。お昼寝中の園児たちの様子を適宜チェックしながら休憩をとります。またこの時間に、保育日誌や連絡帳の記載、行事の用意と事務仕事を進めるケースも多いです。

  • 夕方

    16:30頃から保護者のお迎えをして、
    引き渡し時に、その日の子どもの様子を保護者に伝え、連絡帳を渡し、その日の様子や連絡事項を伝えます。子どもたちを見送った後は、園内の掃除・片付け、戸締まりをして勤務終了です。

2-2 主任保育士

主任保育士の仕事としては、園児の全体的把握、施設長のサポート役、保育士や他の職員への相談対応、保護者への相談対応、課題のある子どもへの対応、家庭の全体的把握と多岐に亘っており、まさに中間管理職の業務内容です。
具体的には、保育課程や指導計画等の作成の援助・点検、園行事の企画運営に関わる、園内の環境整備をする、実習生・ボランティアの受入や中高生の職場体験等の受入をするといった保育所全体を包括する業務が中心となります。これらにプラスして、職員からの悩みや相談に応じる、情報収集や情報提供(園内掲示物や配布物等)の作成を行う、クレーム処理や保護者からの相談窓口になる、現場で職員に専門的な知識や技術を指導するといった業務などになります。
バランスよく人間関係を構築するのがポイントとなる仕事です。施設長、保育士、保護者、地域とのコーディネーターとしての役割が期待されます。

2-3 園長(施設長)

一人一人の保育士等が日々の保育を主体的にできるような環境を作り、肯定的なまなざしで子どもを理解していくために、まずは園長が保育士の思いや考えを肯定的に受けとめることが重要です。また、園の課題に応じ自治体や法人等との改善の方策に関する協議や、関係機関との連携を行います。
具体的には、各職員の持ち味や良いところに目を向け、それを他者にも伝えることを率先して意識し、職員が、他の職員の自分とは異なる意見に対して、自身を否定されたかのように受けとめる場合があること等に留意し、話し合いの目的や互いを認め合う基本姿勢を明確に示すことが必要です。
管理職として、園全体の運営を円滑に進められるよう、各ポジションの仕事を把握し、適宜アドバイスしていく仕事です。

2-4 やりがい

保育士は、子どもを通して、命と向き合い、社会と関わり、豊かな人間性と高度な専門知識を備えた専門職として、多くの子どもの多様な姿や育ちを定点観測のように見守りながら育み続けることができる魅力あふれる仕事です。
保育活動の中心となる子どもの遊びを通した発達の援助は、個々の子どもの状態や興味・関心に応じて行う必要性が高く、保育士の豊かな経験を活かし、研修で得た知識や技術を日々の保育実践することができます。
保育所で勤務する常勤の保育士の離職率は約9%であり、勤務者が 40 万人を超える中では必ずしも高くはないです。私立の保育所で勤務している常勤保育士の平均勤続年数は平成 28 年度時点の 8.8 年から、平成 30 年度時点では 11.2 年まで延びています。

3 施設形態について

保育園もいろいろな施設形態がありますので、それぞれの特徴を説明します。

3-1 認可保育園

児童福祉法で定められた基準を満たしている保育園が認可保育園となります。
認可保育園は自治体の選考により、子どもの入園が決まりますので、保育園が子どもを集めることはしません。集客の心配がなく、国・自治体から補助金を支給されているため運営が安定しています。
保育料については、国または地方自治体から交付される補助金と、保護者から徴収する保育料によって運営しています。運営費の大部分が公費でまかなわれているため、給与・福利厚生は安定しているでしょう。保護者が支払うべき保育料は世帯年収や生活保護の有無などによって決定されます。
また運営主体は、株式会社、社会福祉法人、NPO法人、公立等となります。8割以上が社会福祉法人となっています。

一方、認可外保育園(無認可保育園)とは、国から認可されていない(基準を満たしていない)保育園のことです。
認可外保育園は、保育にプラスして、英会話、スポーツ、リトミックなどを特徴とした保育園が多数あります。
国の基準は満たしていないが、自治体独自の基準をクリアしている保育園は多くあります。 保育の独自性を確保するために、認可を受けないケースもあります。
認可外保育園は認可保育園に入園できなかったという理由だけでなく、保育の特徴を好んで選ぶ親御様が多数います。

認可保育園と認可外保育園、どちらの待遇がいいか、働きやすいかを比べるには、各保育園の保育観、仕事環境の違いを理解する必要があります。認可保育園は運営費の大半が公費なので、国または地方自治体の管理が強いです。認可外保育園は各園が独自の特色を持ち運営しております。

3-2 企業主導型保育園

企業主導型保育園とは企業が、従業員のために事業所や周辺の商業施設等に保育所を設置する形態です。複数の企業で共同設置することや、自社従業員の子どものみでなく地域住民の子どもを受け入れることもできます。
似ている施設として、事業所内保育所があります。事業所内保育所は認可保育所であるため、自治体が利用者の選考を行います。また、対象年齢は0~2才児であることや、定員の1/4は地域枠であることなど、様々な条件が決められています。

企業主導型保育園は児童の確保を自らしなければならないので、集客がポイントとなります。児童の定員次第では、不安定は運営になる可能性もありますので、働くことを検討している保育士さんは、必ず現場見学に行き、児童の定員数、稼働率を確認するようにしてください。

3-3 病院内保育所

病院内保育所(認可外保育園)は、病院内で働いている医師や看護師の子どもが利用者となります。企業主導型保育園の病院版となります。特徴としては、病院が365日24時間運営している施設がありますので、それに合わせて、シフト勤務、夜勤が発生する施設が多いです。ですので、夜勤手当があり行事が少なく、一人ひとり園児とじっくりと向き合うことができます。また、保護者が病院で働いているので連絡が取りやすい環境です。

4 保育士の給与・将来性について

保育士の平均年収は全国平均で3,634,500円です、給与が245,000円、賞与が700,600円。
※厚生労働省の賃金構造基本統計調査

地域、年齢での差がありますので、説明していきます。
都道府県で一番高いのは東京349万円、一番低いのは秋田250万円です。
地域別には関東317万円、東海305万円、関西300万円、甲信越・北陸282万円、四国278万円、九州・沖縄278万円、中国276万円、北海道・東北267万円となっております。

年齢的には、50歳~60歳が一番高く年収430万円くらいとなっております。園長職の方も含まれている金額になります。
30歳~40歳は年収約370万円前後となっており、主任保育士、リーダー保育士が含まれています。

公立と私立の比較については、一般保育士の違いはほとんどないです。主任、園長になると大きな差が出てきます。主任は公立が約674万円、私立が507万円。
園長が公立759万円、私立が679万円です。

厚生労働省では保育士の人材確保のために、処遇改善を行っています。また、家賃補助についても保育従事職員宿舎借り上げ支援事業があり、手当がでます。各自治体でも独自の手当を出しているところがあり、千葉県船橋市では、勤務年数を問わず働き始めた1年目から、月額42,470円、賞与2回分73,260円、年間合計582,900円が支給されます。(令和4年9月現在)

将来性については考え方次第です。少子化により園児数は減っていきますが、その速度は徐々に進むので、慌てる必要はありません。保育はロボットやAIが代替できる仕事ではありませんし、専門性が高い仕事ですので、スキルを長く活用することができます。最近では保育園だけでなく、学童や児童発達支援施設などでも活躍している保育士が増えており、活躍できる場が増えています。
また、働く環境はICTの活用により業務効率は改善されていますので、以前に比べ残業時間は減っていますし、基本的に持ち帰り仕事はなくなっています。行事の際には、企画、制作などで多少の残業は発生しますが、子どもの成長を確認できる場として、保育士の醍醐味ではないでしょうか。

5 まとめ

保育士の仕事は専門性が高く、子どもの成長と自分の成長をリンクすることができる素晴らしい職業です。日本の労働生産性を高めることの一助を担っており、必要不可欠な仕事です。そのような責任ある職業の担い手になることは、やりがいもありますし、将来性があるとも言えます。最近では国・自治体の補助が充実してきていて、給料だけでなく住宅補助も条件次第では整っています。他の職業と同じように、繁忙期があり、業務・人間関係に悩みが生じることもあるでしょうが、あなたが保育士になることで、親、子ども、日本をサポートすることに繋がります、是非チャレンジしてください。